会員限定『Q&Aコーナー』


 日本電気泳動学会では、会員へのテクニカルサポートとして、電気泳動に関する様々な質問を電子メールで受け付け、専門の先生にお答え頂く『Q&Aコーナー』を再開することに致しました。

 ご質問がある方は、(1)お名前、(2)ご所属、(3)会員種別、および(4)会員番号を明記の上、下記のアドレス宛に電子メールで質問をお寄せ下さい。

      ※ 質問メールの送信先:q-and-a@jes1950.jp

 非会員の方がご質問をされる際には、メール会員登録が必要です(年会費は無料です)。あらかじめ下記の『会員サイト』より、入会の申し込みを行ない、会員番号を得ておいて下さい。

入会のご案内

会員サイト

 なお、ご質問および回答の内容が他の会員にも参考になると判断された場合には、アーカイブとしてホームページに掲載させて頂きたいと思いますので、あらかじめご了承下さい。

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Q&Aの例

<質問1>『ゲル電気泳動後、CBBで染色を行いましたが、タンパク質の濃度が低かったためにパターンがうまく出ません。このゲルを高感度の蛍光染色(SYPRO Ruby染色)で染め直すにはどうしたらよいですか』

<回答1>
 1. 50%メタノール/10%酢酸中、室温で1時間 X3回以上振盪し、CBBを完全に脱色する(脱色が不十分な場合は1晩振盪する)。
 2. 10%メタノール/7%酢酸中で、10分間振盪する。(この液は後の脱色で再利用できます)
 3. SYPRO Ruby染色液中で 90分間振盪する。(SYPRO Ruby染色液は遮光して室温で保存すれば数回は使えます)
 4. 上で使った10%メタノール/7%酢酸中で、30分間振盪する。
 5. 精製水中で10分間程度震盪する。
 6. 青色LED照明下で赤色フィルターをつけたカメラで撮影してパターンを観察する。



<質問2>『SYPRO Rubyで染色したゲルから、PVDF膜にタンパク質を転写したいのですが、どのようにしたらよいでしょうか』

<回答2>
染色されたゲルからPVDF膜へのタンパク質転写する方法は、"Proteomic analysis of Epstein-Barr virus-transformed human B-lymphoblastoid cell lines before and after immortalization" Electrophoresis, 21(9), 1814-1822 (2000)の中で紹介されています。
概要は以下の通りです。

 1. SYPRO Ruby染色後のゲルを純水でよく洗う(30分間3回くらい)、
 2. 再可溶化バッファー中で正確に15分間インキュベートする。
 3. タンク式の転写装置にセットし、PVDF膜に転写する。(0.2μm のPVDF膜が望ましい。0.45μm の場合には裏に抜けることがあります。)

   再可溶化バッファー、転写バッファー、通電条件は下記の通り。

     再可溶化バッファー: 0.3%(w/v) Tris, 0.7%(w/v) glycine, 0.2%(w/v) SDS
     転写バッファー: 0.3%(w/v) Tris, 1.5%(w/v) glycine, 0.1%(w/v) SDS
     通電条件: 4 V/cm で1夜通電する

 この方法で転写すると、タンパク質とともにSYPRO RubyもPVDF膜に移りますので、染め直さなくてもパターンを観察することができます。


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