アフィニティー二次元電気泳動のポイント
山口大学医学部 中村 和行
生命システムは、生分子の特異相互反応によって制御されている。この特異相互反応を利用して生分子の分離とそれらの相互反応の解析を目的とした電気泳動法を親和電気泳動法(Affinity Electrophoresis:AEP)と呼ぶ。
本シンポジウムでは、二次元ゲルAEPを用いた1)細胞接着因子(フィブロネクチン)とコラーゲンとの相互作用の解析ならびに、2)抗原特異抗体の多様性および親和性成熟の解析結果を紹介し、二次元ゲルAEPの技術的「こつ」を以下に焦点を絞って解説する。
1) 研究の目的:電気泳動法を用いるメリットがある生分子(タンパク質)間相互作用
2) リガンドの調製:泳動支持体に固定化できるリガンド(電気的に中性の高分子或いは小分子)と固定化に必要な手技の開発
3) 泳動装置の開発:温度制御能の高い小型電気泳動装置の開発
4) 再現性の向上:高感度検出法の開発
5) 応用範囲の拡大:2次元ゲル電気泳動法とキャピラリー電気泳動法